CASE 32 デジタル全盛の時代に静かなブーム
日本製のヴィンテージオーディオ機器を輸入販売するドイツにあるHi-End Japan GmbH、
日本法人合同会社Hi-EndJ.-Ostの銀行口座開設をサポート

ヴァスコ・ガンナ
合同会社Hi-EndJ.-Ost
代表
ヴァスコ・ガンナ さん
https://www.hi-endjapan.jp/

日本のアニメが大好きなヴァスコ・ガンナさんはウクライナ出身の女性起業家です。
日本のアニメをきっかけに、日本文化に対し深い興味をもちました。彼女が高校2年生のとき、ご両親から2週間の日本旅行のチケットをプレゼントされ、初来日を遂げました。
アニメは好きだったものの、日本のことをほとんど知らなかったヴァスコ・ガンナさんは、この旅行で伝統と革新が共存する日本の文化や、日本人がもつ礼儀正しさ、やさしさに触れ、大の日本ファンになりました。ヨーロッパの国々を訪れたことはありましたが、自身の心は日本に向いているとさえ感じ、高校卒業後来日しました。

父親は、ミュンヘンに本社を置くHi-End Japan GmbHの経営者でした。同社は、80年代を中心にした日本製のヴィンテージオーディオ機器を輸入販売している会社です。すでに20年以上の社歴があり、世界中の日本製ヴィンテージオーディオファンを顧客に持っています。

これまでヴィンテージオーディオの日本での調達は代理店に依頼していたものの、仕入れを強化するために日本に子会社を立ち上げたい、というのが父親の意向でした。
娘さんであるヴァスコ・ガンナさんはこの依頼を快諾、日本法人を設立すべく奮闘することになりました。

ビジネスコンシェルジュ東京(BDCT)によるサポート

  • 日本法人の銀行口座開設のサポート

東京を拠点に選んだ理由

私が育ったハンガリーの自宅には、父の自慢のヴィンテージオーディオが所狭しと、並べられていました。幼少期からごく自然に、その温かく、奥深い音色を聴いて育ちました。それが影響してか、私自身もヴィンテージオーディオが持つ現在全盛のデジタルオーディオにはない魅力を知り、感じ取っていました。
「日本に子会社を立ち上げたいので手伝ってほしい」という父からの依頼に抵抗はありませんでした。何より、大好きな日本で仕事ができることに前向きな気持ちでした。

とはいえ、日本で会社を立ち上げにはどうすれば良いのか。ビジネス経験も知識もない私の頭の中は混乱していました。
そこで、「日本法人の設立」や「外国人 創業支援」などをキーワードにネット検索をしてみたころ、外国人の開業をサポートしてくれる東京開業ワンストップセンター(TOSBEC)の存在を知りました。その名のとおり、会社の設立に必要な各種手続きを一元的にサポートしてくださるということだったので、私にとっては願ったりかなったりのセンターでした。そして、東京都が運営しているという安心感もありました。

早速、TOSBECを訪問し相談したところ、一から会社設立までのサポートをしていただき、まったく知識のない私でもそれほど苦労せずに、2021年3月に合同会社Hi-EndJ.-Ostの設立登記を行うことができました。現在オフィスは秋葉原にあります。

ヴィンテージオーディオの仕入れ場所は必ずしも東京ではありませんが、情報の集積度、そして交通などの利便性から秋葉原を選びました。当社のビジネスに適した倉庫が大田区に見つかったことも、東京を拠点にした大きな要因でした。

ビジネスコンシェルジュ東京を利用した感想

次に必要なのは、銀行の法人口座の開設です。こちらもそれほど手間がかからないのではないかと高をくくっていましたが、それが大間違いでした。4、5行に口座開設の依頼に伺いましたが、どこからもいい返事がいただけませんでした。
20代でビジネス経験が全くなく、何のつてもなかったので、いきなり銀行を訪れてもスムーズに口座開設には至りませんでした。

法人口座が開設できなければビジネスを始めることはできません。しかし、BDCTでは東京で事業を展開しようとしている外国企業向けに、ビジネス面から生活面までトータルにサポートしてくれるということで、2021年5月に相談の連絡を入れました。こちらも東京都の運営ということで、安心して相談できました。

相談してすぐに都市銀行やネット銀行など数社をご紹介いただきました。そして、相談が進むうちに、BDCTからある都市銀行が検討してくださる旨の連絡があり、6月10日に銀行の面談を受けることになりました。
面談当日は、事業計画などに関しての説明も滞りなく行え、後日の現地調査の後、無事法人口座を開設することができました。

BDCTには適切なアドバイスとサポートをいただき、本当に感謝しています。
現在は、日本で起業を考えている外国人の友人にBDCTを勧めたり、SNSでもその有用性を発信したりしています。

今後のビジネス展開

利便性が高く、かつ気軽にどこでも高音質な音楽が楽しめるデジタルオーディオ機器全盛の時代にあって、手間のかかるアナログオーディオも静かな人気を呼んでいます。とりわけデジタル世代である若い人がレコードやカセットテープなどに興味を持ち、それが今日のアナログオーディオブームの盛り上げ役となっています。

かねてからヴィンテージオーディオの世界は、少数ながら世界中に根強いファンがいらっしゃり、とくに高品質でコストパフォーマンスの高い日本の製品は人気があります。
現在のアナログオーディオブームのなかから、そうしたヴィンテージオーディオファンになっていく人もいるでしょう。今後、私たちの顧客はまだまだ増える見込みがあるということです。

現在、当社のスタッフは私一人ですが、順調に仕事が増えていけばスタッフの増員や新たなビジネスの展開、それに伴うライセンス取得なども必要になってくるかもしれません。
BDCTでは、それらすべてのサポートができる、と伺っているので、今後も関係を保ち、必要なときにご相談したいと考えています。

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